いま狂乱地価で東京ではとても家が持てなくなっているわけだが、これだけ働いているんだから、まともに働いたら一軒の家が持てる住宅政策を要求しようということがマスコミでもいわれている。政党の中にも五年分の年収で家が持てるようにすべきだ、という主張がある。しかしこれはおかしい。いまの大都市では、賃金の中から土地と家を買って人間らしい暮らしのできるマイホームは持てない、という現実はずっと以前からある。いままでは遠距離通勤とか、零細な敷地とか、環境が悪いとか、ローン地獄などという住宅取得をめぐるマイナスの要因がたくさんあったにもかかわらず、それに目をつむって小さい家でがまんして、地価が上がってむしろ資産価値が上がるからと喜んでいる人もいるというような歪んだ状況があったのである。
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つまり以前から矛盾はいっぱいあったが、それが爆発するほどではなかっただけの話である。