二十数年前、私が大学院在籍中に設計した父母の家には、あちこちに床の段差がある。床のレベルの変化は空間を壁で仕切らずにいくつかの領域に分けるのに効果的な手法の一つで、たとえば父母の家ではリビングーダイニングの食堂と居間の領域が床のレベルによって分かれている。テレビと暖炉のある居間の床は食堂のレベルから六〇センチほど下がっていて、その低い部分の縁にゆったりしたソファーやアームチェアが埋め込まれている。このように床から掘り込まれた部分は、そのことによってかなり広いリビンターダイニング全体から柔らかく分離され、落ち着いた領域を形成する。
[Pick Up]
行橋市のマンション
行橋市の新築マンション一覧|SUUMO(スーモ)新築マンション
文の里の賃貸
文の里の賃貸・部屋探し情報一覧|賃貸マンション・賃貸アパートはSUUMO(スーモ)賃貸
札幌市手稲区の中古住宅
札幌市手稲区の中古一戸建て一覧|SUUMO(スーモ)中古一戸建て
三国ケ丘の賃貸
三国ケ丘の賃貸・部屋探し情報一覧|賃貸マンション・賃貸アパートはSUUMO(スーモ)賃貸
事実、ここは父のお気に入りの場所で、とくに仕事から半ば隠退して在宅時間が長くなってからは、ソファーで仮眠したり、部分的に床暖房をした床に足を投げ出しソファーの座の部分に背をもたせかけた姿勢でテレビを見たりしていることが多くなった。ところが、父の足腰が弱ってくると、この段差が問題になってきた。食堂との間の三段の階段を上がり降りするのによろけたり転んだりするようになったのである。そこで慌てて手摺をつけた。周囲に壁がないので床から頑丈な支柱を立ちあげ、台槍の目透かし張りの壁に合わせて檜の手摺を造ったのだが、部屋の中央にこういうものが突出するのはかなり目障りである。しかしこの手摺が晩年の父を動きやすくした効果は絶大で、高齢者の住宅にはこうした配慮が不可欠なことをあらためて実感した。