旧住宅公庫の1974年度の事業計画では、前年度から実施されている総需要抑制策が引き続き行われましたが、個人住宅融資については弾力条項の発動等によって、貸付枠が大幅に拡大しました。当初計画は対前年度0.8万戸増の28.1万戸分としましたが、申し込みが殺到し、申し込み期限よりも早く締め切ることになったため、同じ年度内に5万戸分の枠を追加して対応しました。1975年度には、景気対策の一環として旧住宅公庫融資の促進が決定され、個人住宅融資について、前年度計画から2.5万戸増の19.1万戸分の融資枠を確保し、貸付申し込みについては、前年度の一括受付から2回に分けて申し込みを受け付けこととしましたが、1回目の申し込みの受付初日に、予定戸数7.4万戸に対して13.4万件の申し込みがあったため、1日で受付を締め切らざるを得ない事態となり、抽選制を復活させることになりました。そして、その後は融資戸数を7.1万戸追加することにより対応しました。この時期、旧住宅公庫への貸付申し込みが殺到したのは、民間の住宅ローンが金融引締時の高金利のまま据え置かれていたことや、所得の先行き不安により金利の低い公庫融資の需要が高まったことが挙げられます。その後も、持ち家需要の高さもあって、旧住宅公庫の貸付戸数枠は増加を続けました。無抽選制を維持する観点からも、50万〜55万戸分の水準で定着していきます。
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